『オーガナイザーケース』
オーダー種類 | フルオーダー |
使用皮革 | マローカーフ(ブラック色) × シュリー(バターイエロー色) |
サイズ | W17㎝×H11.4㎝×D2.5㎝ |
9月17日の中秋の名月。
18日の朝方ふと目を覚まし、西側の窓にくっきりと真ん丸と見えました。
秋の気配と、まだまだ残暑。
グラデーションの季節ですが、
お作りさせて頂いたご依頼品はくっきりなコントラストでした。
フルオーダーでご依頼いただきました、
通帳印鑑ケース『オーガナイザーケース』の製作エピソードです。
ご依頼下さったお客様は、
すでにエスペディエンテの革製品をいくつかご愛用頂いておりまして、
再びのご依頼はとても嬉しく感じます。
ご満足頂けているご様子を伺えることができてとても有難く、
でも、だからこそ、これまでよりもさらにご満足頂けますようにと、
手は抜けず身が引き締まる思いです。
通帳と印鑑を収納するケースを作ってもらいたいのですが、デザイン構造についてはお任せします。というスタートでした。
お打ち合わせではまず、大切な印鑑ですので「絞り」をご提案させて頂きました。
印鑑を革で覆い守るように収められたら良いのかな… と思ったのですが、
「普通ですよね。」 というお客様からの反応でした。
そこでようやく、
そうか! お客様は変わったモノが欲しいのだ! と、理解できました。
絞りで専用ケースのようにとか、
ロールペンケースのイメージ等ご提案させて頂きましたが、
イマイチ反応が良くなくて、お打ち合わせを進めていきますと…
印鑑が専用スペースで守られている構造を求められているわけでは無く、
固定できるだけで十分。というご意向がわかりました。
では、印鑑を固定するにはどうするか… とアイディアをしぼり、
ひらめきましたのが
ゴムバンド式のバッグインバッグの構造を候補としてご提案しました。
「面白そうですね!」 と、
お客様はようやくのってきて興味をもってくださいました。
ゴムバンド式を提案したものの、それが本当にできるのかどうか…。
どんな風に仕上がるのか、正直未知数でしたので、
まずは仕上がりと使用感を確認する為のサンプルを作ってみて、
確認してみましょうということになりました。
綺麗なお色が好きなお客様でしたので、
せっかくだからカラフルにお願いしたいな。と、お好みも伺いました。
振り返るとこれまでのご依頼品全て、色について追求されておりました。
サンプルで仕上がりイメージをご確認頂きますと、まずは好反応を頂きました!
サンプルをご確認頂き、本製作へ取り掛からせて頂きました。
お選び頂いた素材は、
外装にはボックスカーフのブラックを使用してエレガントさを。
そして内装は逆にカラフルさを。
サンプルでは3色のゴムでしたが、2色のゴムで。
革はゴートレザーのシュリー、バターイエローの革色をお選びになりました。
すでにお使い頂いているお財布には
スライド式のハンドルを配置しておりましたので、
お財布と同じようにハンドルが欲しいとリクエスト頂き、配置しております。
全体的に綺麗に仕上がり良かったです!
『オーガナイザーケース』の出来上がりは、
通帳3冊、キャッシュカード2枚、印鑑4本、
銀行関係のアイテムがひと通り収納できます。
恐らくきっと、お客様からのご要望を頂かない限り、
このようなデザイン構造を生み出すことは出来なかったと思います。
お客様のご要望に対して、悩んでアイディアを絞り出す日々を送っております。
簡単に済ます事もできますが、
お客様を想像しながら取り組んでおりますと妥協はできません。
簡単に。という選択肢は無くなります。
エスペディエンテへご期待下さるお客様のお気持ちにお応えしたいですし、
想像以上でした! というお言葉頂きたいので、納得のいくまで考えます。
考えているだけで時間が過ぎてしますこともありますが、
苦しんで生み出した分だけ、自分たちも想像していなかった、
想像できなかった革製品へとたどり着くことができます。
コメントを残す