2018年の仕事もスタートして、10日間弱。
この冬の松本は、まだ雪が積もることもなく有難いです。
2018年の仕事初めは、
お客様がご愛用くださっているエスペディエンテのレザーアイテムの、
修理とメンテナンスからのスタートでした。
まずは、ミネルバボックスのグリージオ色を使用した『二つ折り財布』です。
お財布のデザインは、以前からお客様がご愛用しておりましたお財布に、
アレンジを加えたものです。
作り上げた当時は、仕上がりのスマートさを重視し過ぎて、
革の厚みを出来るだけ薄くして、全体の仕上がりの厚さに気持ちを注ぎ、
その結果、カード入れの口元部分が伸びてきてしまい、
お客様から修理・メンテナンスのご依頼を頂いたのです。
ご依頼を頂いた当初は、内装パーツのみ新たにお作りして、
外装の革そのままにを活用しようと考えておりましたが、
当時の仕立てですので、外装の革も薄く仕上げており、
少々心もとなく、心配でした。
外装の革を活かすか…、新調するか…、
悩みました。
修理とするならば、お預かりした素材をできる限り活かすことが本来だと思いますが、
でも、お客様にお届けしたいお財布は、
気持ちよく使って頂ける『二つ折り財布』を、お届けしたい!使って頂きたい!
このお財布をお使いになっているお客様は、
長野にお住まいの方でしたが、
春には県外に引っ越しをされるご予定と伺っておりました。
これまでのように、
気軽にご来店をお願いできる距離ではなくなってしまいます為、
新しいお住まいの環境でも、気持ちよく使って頂く為、
悩みましたが、外装の革も新しくさせて頂きました。
結局、修理とはいうものの、
全て新たにお作りさせて頂くこととなってしまい、
お客様には心苦しさもありましたが、
エスペディエンテとして、
最善を尽くさせて頂きました。
この『二つ折り財布』をお作りさせて頂いた3年前の仕立て方法に比べると、
現在は、だいぶ改善を加えた仕立てをしております。
それは、これまでのお客様からのご意見や、
日々、製作に取り組む中、「もっとよくしたい!」「こうしたらどうかな?」
と、過去の自分と向き合いながら、
試行錯誤の連続で積み上げてきたものなのだと感じております。
今の全力、最善の選択でお作りしておりますが、
まだまだ不完全状況ですので、
頭の中で描く理想の革製品を求め、
お客様が欲しい!使いたい!と感じて下さるように、
寄り添い励んで参りたいです。
コメントを残す