『フォーマルバッグ』
オーダー種類 | フルオーダー |
使用皮革 | マローカーフ(ホワイト色)・クリスペルカーフ(ブラック色) |
サイズ | 底W25㎝(上口W21.5㎝)×H18.5㎝×底D9㎝ |
昨年の製作事例とはなりますが、お客様からの深いご理解とご期待を頂き、エスペディエンテの全力の美しい鞄。
フルオーダー『フォーマルバッグ』の製作エピソードです。
新年が明けて、1月が半月ほど経ちました。
実は、エスペディエンテとしてこの先の方向性を、
どちらを選択するか悩んでおりました。
この半月の間、ご来店下さるお客様には、
偶然にも自分たちの方向性の背中を押して頂けるお言葉を、
頂いておりました。
何人ものお客様より、恐らく無意識だと思いますが、
同じようなお言葉を頂きました。
とても励みになるお言葉です。
お蔭様でエスペディエンテとしてやりたいこと。やっていくこと。が、
一致することが出来ました。
実は、エスペディエンテとしてこの先の方向性を、
どちらを選択するか悩んでおりました。
この半月の間、ご来店下さるお客様には、
偶然にも自分たちの方向性の背中を押して頂けるお言葉を、
頂いておりました。
何人ものお客様より、恐らく無意識だと思いますが、
同じようなお言葉を頂きました。
とても励みになるお言葉です。
お蔭様でエスペディエンテとしてやりたいこと。やっていくこと。が、
一致することが出来ました。
迷いなく、美しい革製品を心掛けて参ります。
昨年の製作事例とはなりますが…
お客様からの深いご理解とご期待を頂き、
エスペディエンテの全力の美しい鞄。
『フォーマルバッグ』の製作エピソードです。
お客様からの深いご理解とご期待を頂き、
エスペディエンテの全力の美しい鞄。
『フォーマルバッグ』の製作エピソードです。
式典の際に使用するバッグをお願いしたいのです。
と、ご依頼頂きましたのは、ちょうど昨年の1月。
まずは、ご希望される『フォーマルバッグ』の
イメージを伺うことからスタートしました。
- 外縫いだけど、内縫いのふっくらした印象を感じる仕上がりに。
バッグの表にコバ面の角が出ないように。 - 『フォーマルバッグ』なので、スムースなボックスカーフを使用。
- フォルムは「台形」に。
- 背面にスマホ用のポケットを欲しい。
- 着脱できるショルダーベルトが欲しい。
- 内装は2室。
- マチは外折れ構造に。「外折れマチ」についてのブログ記事はコチラ ≫≫≫
…と、大まかなご希望はこんな感じ。
お好みのサイズ。お好みの見た目。
逆に、お好みじゃない事も伺いました。
出来上がりのイメージを膨らませ、
本製作の前のサンプル作りに取り組んだのが8月。
まずは、方向性を探る為に、床革でパーツをいくつも作り試行錯誤。
次に、紙を使ってバッグの仕上がりフォルムを探り、方向性の道筋を立てました。
仕上がりフォルムが決まると、
革を使って実寸大サンプルを作り、
革を使って実寸大サンプルを作り、
そのサンプルで、お客様に見た目・使用感をご確認頂きました。
微調整のご指摘を頂きましたが、
ほぼほぼご要望通りということで…
ほぼほぼご要望通りということで…
サンプルを製作しての経験を活かして、
さらにブラッシュアップさせます。
本製作に取り組ませて頂いたのが、10月。
有難い事に白と黒、
ふたつもオーダーご依頼頂いておりました。
白も黒も、定番革素材ではないボックスカーフでしたので、
試行錯誤しました。
ボックスカーフのマローカーフの革色ホワイト。
式典でのコーディネートを考え、お客様のご指定だった革色ホワイト。
クリスペルカーフの革色ブラックでもお作りさせて頂きました。
「クリスペルカーフ」について名前は聞いたことがありましたけれど、
高価過ぎてこれまで使ったことの無い革でした。
そんな状況にも関わらず、お客様はご指定されました。
それほどまでに、お気持ちの入ったご依頼でした。
「クリスペルカーフ」の魅力をどう引き出すか。
立体感を出す。そこに気を配りました。
バッグのボディ、かぶせ蓋に立体感となる表情を出すように心掛けました。
出来上がってみて、
一番大変だったの事は「マチの形状パターン」でした。
一番大変だったの事は「マチの形状パターン」でした。
バッグのボディフォルムは台形。
直角は出ておらず、変形しています。
それに対して、口元のラインも変形。
変形と変形のラインに加え、内装には仕切りが必要。
この3つの関係性の辻褄合わせに苦戦しました。
マチの型紙が起きると、
今まで見たことの無い形の型紙となり発見でもありました。
この型紙を導き出す為に、大量のマチのサンプルパーツを試作しました。
配慮したのは、かぶせ蓋の開き方。
これまでお客様がフォーマルバッグをお使いになってきた経験から、
蓋の開き方が楽になって、中身の出し入れがし易くなったら嬉しいです。
というご要望を頂いておりました。
かぶせ蓋とボディを接合する縫製は内縫いをかけて、
蓋が開いた状態をキープ出来るように。
通常の縫製とは変えております。
神経を使ったのは、硬質感あるボックスカーフのヘリ返し。
大変とも配慮とも違う。神経を使いました。
苦労の甲斐あって、これまで製作してきた一本手のバッグ中で
一番良くできました。
他の言い回しが思いつかなくて、良くできた。としか表現できずにおりますが…。
一番良くできました。
他の言い回しが思いつかなくて、良くできた。としか表現できずにおりますが…。
ご遠方にお住まいでしたので、発送でのお渡しでした。
お手元に届いて、まず頂いたお言葉は…
「やりましたね我々」
「時代に合ったフォーマルバッグが出来上がったのではないでしょうか」と。
「我々」とおっしゃって下さった事に、思わず笑顔になり嬉しさを感じました。
まさにその通りで、
ご依頼主であるお客様と、私たち夫婦3人で、
ゼロから取り組んで、出来上がったバッグです。
お蔭様でお客様にとって、
「形も大きさのバランスも文句なしの黄金比率です」ともおっしゃって頂き、
ご希望を具現化することが出来て、本当に良かったです。
振り返ると、これまでの道のりが懐かしく感じました。
硬質感のあるボックスカーフを使って、
柔らかさと優しい印象を表現する事。
硬質感があるスムースレザーですので、
一度変な「シワ」が入ると消えません。
ですので、シワが起きにくく、
しかも美しい所作でお使い頂ける構造・仕立てを心掛けました。
しかも美しい所作でお使い頂ける構造・仕立てを心掛けました。
さも当然のようにという美しい佇まいに
仕上がりましたが、
バッグ好きのお客様が温めてきたアイディアご要望、
それを具現化した私共のエネルギーが沢山詰まっております。
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