『ショルダーバッグ』
オーダー種類 | フルオーダー |
使用皮革 | トゴ (ブラック色) ・ ドイツシュリンク (グレー色) |
新年の営業がスタートしてからおよそ1週間。
穏やかに製作の日々を過ごしております。
昨年の10月頃から12月まで長期戦で取り組ませて頂いた
フルオーダーの『ショルダーバッグ』。
今の自分では生み出せない。そんな気がします。
穏やかなメンタルとは正反対で、
当時、とても追い込まれておりました。
追い込まれていたからこそ、生み出すことが出来たバッグです。
製作エピソードを振り返りました。
さみしさ。
出来上がると、一番はその感情。
作り終えて、必要な型紙減っていく。
芯材やパーツの革も、仕立てていくと形となり
作業机から減っていく。
↑ ↑ ↑
本番製作中のひとコマです。
本番だから、正確に。
カットも縫い代も、とにかく全て正確に進めていくことに専念する。
↑ ↑ ↑
お客様にご確認頂いた実寸大サンプルです。
方向性が見えてきた。
パターンも見えて、形にしたときに不具合と壁にぶち当たる。
アウトラインができたけれど、裏地をどうやって組み込むのか、
どうやってまとめ上げるのか、探りながら色々な方法を試す。
試しながら方法パターンを決めていく。
↑ ↑ ↑
とりあえず光が見えてきた。
ちょうど真ん中のサンプルが、
これにいきたい!…と、目標として見えてきた。
目標が見えてきたら、
形にする型紙へ落とし込む為に解き明かす。
まだお客様にお見せできる段階ではありませんが、
ここへいくには、
どこでパターンを切るのかどこまで縫うのか。
それを探る。
それが見えてきて… ようやく次の段階へ。
↑ ↑ ↑
全く構造も作り方もサイズ感も見えていない状況のサンプル
とにかく手を動かし、目標を探る段階。
でも全然みつからない… 苦しい段階。
この長期戦のフルオーダー『ショルダーバッグ』
スタートとなるお打ち合わせは、
お客様のご希望イメージを画像やお持ちのバッグから伺い、
それを具現化する苦しさはございましたが、
お客様もご一緒に向き合って下さり、
お電話やメッセージのやり取りを重ねました。
『ショルダーバッグ』の構造として、
外縫いで仕上げたエスペディエンテの
『ミニバッグ』を内縫いで仕上げ、
内装の構造も同じように3つのマチと、
手前のマチに仕切りを配置することをご希望されておりました。
それを、イメージすることはできましたし、
言葉にすることもできました。
しかし、具現化することが予想以上に難しかったです。
まずは、バッグの仕上がりフォルムのみを考えて、
3つのマチを内縫いで可能にするパターンを導き出しました。
内縫いの3つマチ。
同じようなパーツを山ほど作りました。
でも、糸口が全くつかめず、時間だけが過ぎていく日々がございました。
行先が見えているのに、糸口が掴めない。
自分が試していない方法を挙げていく。
あと何をやっていない? あと何ができる?
途方に暮れて、一度離れました。
なぜか… 離れたら、手を尽くしていない方法がひとつ見えてきました。
それを試してみると、うまくいきそうだ!
あの悩んでいた時間が嘘のように、パターンが見えてきました。
外装のパターンが大方になると、
次は、内装のパターンに取り組みました。
『ミニバッグ』と同じように、
手前のマチに仕切り配置すると共に、
仕切りはファスナーポケットをご希望されておりました。
ファスナーを配置させ、
内縫いでまとめ上がることを可能にする裏地のパターンに、
再び悩みました。
自分発では、ここまで悩むバッグに取り組むことは
出来なかったと思います。
お客様目線の、
日々のスタイルからの素直なご希望があったからこそ
生み出された『ショルダーバッグ』です。
オーダーご依頼頂いた当初は、バッグはひとつだけの予定でしたが、
実寸大サンプルをご確認頂いた時点で
すぐにもお客様はワクワクして感動して下さるお気持ちを
エスペディエンテにお伝え下さり、
革色ブラックと革色グレーの2つもご依頼を頂きました‼︎
実寸大サンプルまで仕上げていく工程は、
大変苦戦致しましたので、頑張った甲斐があったな~と、
報われる思いですし、
お客様にご納得頂けた事が、本当に良かったです。
ご依頼主のお客様は、ご遠方にお住まいでしたので、
発送にてお渡しとなりました。
お手元にお届けできると、すぐにもご連絡下さり、
「素敵で理想の詰まったバッグ」とおっしゃって下さいました‼
そして、
「喜びが勝り過ぎて、今からバッグを持ってお出かけして参ります♪」と。
…そんなお姿が、
とても嬉しく微笑ましく感じました。
とにかく、ご納得頂けて良かった~‼︎
お客様の笑顔を頂けて、私たちもにんまりでした。
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