何となく日差しが、春の日差しになってきたかな?!という立春を過ぎた2月…。
2月になると、いつも思い出すのはアトリエのオープンに向けて、寒い、寒い、と言いながら、
店の準備をしていた頃の事です。
夫婦二人、仕事を辞めて収入も無くなり不安もあったけれど、
どんなお客様がいらっしゃるのか、ワクワクドキドキしながら、
夢中で準備に追われていたのが、2013年の2月。
その頃よりも、もう少しさかのぼって、自分たちの店を持つことが夢の夢だった修業時代に生みだしたバッグのひとつが、大型トートバッグ『フォルテ』です。
作ったきっかけは、自分たちが「欲しかった」から。
それと…当時、現在定番素材として扱っている革に出会ったばかりの頃で、
その革を生かした、革の雰囲気を楽しめるバッグが「欲しかった」から。
で、まずは経年変化を存分に楽しめるように選んだのが、
明るい革色の「黄色」を使用して作ったのが、「フォルテ1号」。
まずは、自分たちで使用して、経年変化をみると共に、
ひずみが発生しないか検証することに。
この「フォルテ1号」は、現在も、もちろん愛用中です。
…というよりも、「紺屋の白袴」という言葉があるように、
正直、自分たちの物は後回しにしていたら、現在に至ってしまったという所もありますが…。
「欲しかった」を形にしたトートバッグ『フォルテ』、
現在はお客様それぞれの「欲しかった」をプラスしながら、
お作りさせて頂いております。
定番デザインの『フォルテ』よりも、本体のマチ幅を小さくしてお作りさせて頂いたものです。
内容量を少々少なめにして、身に付けた際にスッキリとした印象のものをご希望されての製作でした。
こちらも本体のマチ幅を小さくして、上口をファスナーで開閉するようにして欲しいというご依頼でした。
通常では、上口にはベロ付マグネットを配置しておりまして、
中身の出し入れは楽ですが、バッグの中がチラッと見えてしまうことと、
もしもの雨の日が心配です。というお客様のご希望でお作りさせて頂いた仕様です。
こちらは、ほぼ定番デザインの『フォルテ』ですが、
持ち手周りに「あて革」を配置してあります。
この「あて革」は、お客様のお好みで配置したりしなかったりしておりますが、
好き嫌いがハッキリ別れるパーツのひとつなんです。
ご意見の片寄りはありますが、
いつもお客様に「あて革」有り・無しどちらを好まれるのお伺いすると、
それぞれのお好みがあってなかなか面白いです。
こちらの『フォルテ』は若干ぽってりしたフォルムが特徴です。
オープンしてから間もなくお作りさせて頂いたもので、
フォルムのラインを模索していた時期のものです。
また、この『フォルテ』の持ち手は全て同じ幅で、しっかりとした印象に仕上げてあります。
これまでご紹介した黄色の『フォルテ』の持ち手は、変形の持ち手で、
根革付近と輪になった頂点部分とでは、持ち手の幅を1㎝の差を設けていて、
肩に掛ける頂点部分を細くしてあるのです。
最後の『フォルテ』は、本体のマチ幅を今までのものよりも、もっと細くして、
だけど持ち手はもっと長くして、というご依頼でした。
今までに無い仕上がりとなりましたが、
お客様にとっての「欲しい」の要素をいくつも盛り込ませて頂きました。
ちょっとしたことでも、それぞれのお客様の「欲しい」にお応えして参りたいと思っております。
そして、私の「欲しい!」バッグもそろそろ… 出来るかな?!
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