作り手として大先輩の、漆芸・巣山定一さんとの出会いは独立するよりも以前、結婚するよりも以前から。
プライベートでの定一さんはいつも笑顔で、気さくにいろいろなお話をしてくださいます。
けれど、自分の仕事の話になるとそのこだわりは強く、圧倒されます。
いつも会う度に、作り手として学ぶ事が多く刺激をもらいます。
漆芸・巣山定一として妥協はしない。
ひとつ自分に甘くしたら、ひとつごまかしをしたら、
次もいいかなってそれが当たり前になる。
どんなに数が多くても、モノづくりの人間として絶対に、納得のいくモノを作る。
手を抜かずにやっていれば、自然とお客さんを呼んでくれるもの。
そして、オリジナリティーあるものを生み出す。
漆は電力を使わずに「黒目る」。
定一さんのこだわりはもちろん「漆」へも。
漆はお天道様の下で、精製して塗料になる。
「黒目る」際に使うのが、この「フネ」と呼ばれるもの。
では、「黒目る」とは?
我が家で活躍している、定一さんの作品をご紹介します。
「欅造端反大椀」
木目が浮きでた表情と、手触りはとてもなめらか。
手に持つと、欅独特のどっしりとした重厚感が感じられる大椀です。
麺類、丼ぶり、サラダボール、大活躍の大椀です。
「栃泡杢スプーン」
定一さんいわく、「玉子かけご飯がいいんだよ~」と。
カレー、丼物等のご飯ものを食べるの為のスプーンと言っても過言ではない位のスプーン。
泡杢が磨き上げられ、その艶感がとても美しいスプーンです。
スプーン自体はものすごく軽く、その先端はものすごく薄く磨いてあるので、
ご飯を口に運んだ際には、まったく異物感が無くスルッと! ご飯が口の中に!
どの作品も、定一さんのこだわりが詰まっております。
エスぺディエンテ かづみ
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