『スクエア型ファスナーキーケース』
オーダー種類 | フルオーダー |
使用皮革 | アリゾナ |
サイズ | W6.4㎝×H11㎝×D2.2㎝ |
3月も半ばが過ぎ、春から新生活を迎える方も多いかと思います。
新居での生活に合わせたキーケースの製作ご依頼を頂いておりました。
すでに、お客様はこの春で新生活1周年となり、
ご依頼から出来上がりまで1年ほどのお時間がかかってしまいましたが、
エネルギーの詰まったキーケースができあがりました。
ご依頼下さったお客様は、
ご家族様でエスペディエンテの革製品をご愛用下さっており、
出会いは、お嬢様のお財布をお作りさせて頂いた事。
それをきっかけに、ご家族様それぞれのお好みのお財布をお作りさせて頂き、
バッグもお作りさせて頂きました。
そして、今回はキーケースのご依頼を頂きました。
これまでお使いになられていたキーケースは、
お母様が以前にプレゼントされたもので、
それと同じキーケースを皆様お使いになられていました。
素材がナイロン製でしたので、同じような機能を持たせて、革で作って頂きたい!というご依頼でした。
お客様がご要望されていたことは、
キーホルダーは3連以上で。
スマートキーを収納したい。
スマートキーの誤作動防止の為、硬めに仕上げて欲しい。
カードを4枚程収納したい。
ご自宅の鍵は、外側に出しながらもキーケースに固定したい。
仕上がりの縦横サイズは、大きくなり過ぎない事。
以上のことを、お打ち合わせにて伺いまして、
まずは、ご要望を具現化した仕上がりイメージをご確認頂く為に、
型紙を起こし、実寸大サンプルをお作りしました。
お客様はそのサンプルをしばらくの間、実際にお使いになり、
お使いになってのご感想と改善点を伺いました。
サンプルをご確認頂き、デザイン構造を決定。
キーホルダーは4連に。
スマートキーの収納ポケットに、落下防止の為にかぶせ蓋をつけて欲しい。
ファスナーの開き方は、横から開くイメージでしたが、縦に開くイメージに変更。
縦に開くことで、マチの中で唯一底だけが革パーツとなります。
底にハトメを打ち、鍵を接続する為のチェーンを通すことに。
ご自宅の鍵にこのチェーンを接続させて、
ドアの鍵を開ける際には可動域が広く使いやすく。
お使いにならない時は、キーケースの表面に配置した、
鍵用のポケットへ鍵を固定します。
↑ ↑ ↑
鍵用ポケットの位置は、
サンプルではマチの革パーツ部分に、
差し込んで固定する方法を提案させて頂いておりました。
サンプルをお使い頂く中で、
鍵ポケットの口元にある縫製の糸が、
金属の鍵との摩擦で傷んできてしまい、永く使うには、ちょっと心配です。
と、ご指摘を頂き、ファスナーの開き方を横から縦へ。
鍵ポケットの位置は、マチから表面へ移動させ、
ストレスが少なく、使いやすい構造をお客様と共に導きだしました。
ファスナーを開け閉めせずに、ご自宅用の鍵をお使い頂けることもお客様のご要望でした。
内装のキーホルダーの裏側は、
カードを4枚収納できるポケットになっております。
サンプルでは、カードを中央で固定するのみの構造でお作りしましたが、
カードが左右に動くのが気になります。と、ご指摘を頂きましたので、
カードポケットには底をつけて、片側一方から収納できる構造に改善致しました。
また、サンプルでは当初のご要望通り、
硬質感ある革を使って、キーケース全体を硬めに仕上げましたが、
スマートキーが誤作動を起こすことは無かったことと、
お使いになっての感触で柔らかめの方が良いなと感じられたようで、
柔らかな質感へと変更を頂きました。
柔らかな質感で、比較的扱いやすいタンニンレザーの
[アリゾナ]をお勧めさせて頂きました。
黒と緑のツートーンに仕上げました。
外装は、落ち着かせたいと革色黒に。
内装には、革色ターコイズをお選びになりました。
この革色ターコイズは、お使い初めは青味が強めですが、
お使いになってエイジングが進むと、深い緑色へと変化いたします。
エイジング後の深い緑を想定して、
ステッチの糸色とファスナーテープのお色は緑色に。
緑はお客様のお好きお色なのです。
手のひらに収まる程のキーケースですが、
ご依頼頂き、出来上がるまでなかなかのお時間が掛かりました。
お客様のアイディアと私たちのエネルギーが詰め込まれた、
これまでに無いキーケースに仕上がりました。
ご依頼頂きまして、ありがとうございました。
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